看護師は多くの患者さんや医療従事者と直に接するため、高いコミュニケーション能力が求められます。
看護師を目指す学生は、日頃からコミュニケーション能力をトレーニングすることが重要です。
心理学者のアルバート・メラビアンは、聴覚・視覚といった非言語情報が、情報伝達の9割以上を占める要素であることを明らかにしました。メラビアンの研究は、言葉の内容よりも非言語情報の方がコミュニケーションにおいて重要であることを示唆しています。
非言語情報の具体例として、聴覚に関しては、「声の高低」や「会話のテンポ」また、視覚に関しては、「視線」、「口角」、「ジェスチャー」、「クセや仕草」が重要な要素です。
コミュニケーションのトレーニングとして、友人との何気ない会話でも非言語の要素を意識して行うことが大切であり、同僚や医療従事者同士のやり取りでは、アサーションが有効とされています。
アサーションとは、自分も相手も尊重するコミュニケーション技術です。
代表的な技術に、主語をI(=私は)に置き換える「I(アイ)メッセージ」があります。
遅刻が多い同僚への対応を例に挙げると、「どうして(あなたは)遅刻ばかりするの!」から「業務が進められなくなるから、遅刻しないでもらえると(私は)ありがたいな」というように、I(=私は)を主語にすると、柔らかい表現でしっかりと自分の主張を伝えることができます。
言いにくい内容を伝える際は特に、Iメッセージは効果を発揮することが可能です。
看護師は高いコミュニケーション技術が求められる職業です。
普段から非言語コミュニケーションやアサーションのトレーニングをして、充実した職業生活を送りましょう。